べにちどりの勉強記録

なぜべにちどりと名乗ってしまったのか後悔しながら勉強していく記録

司馬遼太郎著「新史太閤記」をよんで

新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)
新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)

最近大河ドラマでひどい描き方をされている「豊臣秀吉」ですが、司馬遼太郎ではそれなり主人公として扱っています(当たり前ですが)。
この本を読んで面白いなと思ったのも事実ですが、まあ、日ごろの生活に
役立つかなと思ったことをつらつら書いていきます。
この小説では「相手の心を察すること・相手へ気遣うこと」「(相手の胸の内を察したうえで)パフォーマンスによって人を動かす」がどれだけ重要かが読みとれます。

?相手の思いをはかること
どこかのビジネス書に、「相手の思っていることを推察すること。そしてかなえてあげることが重要」というお話が書いてありましたが、この小説の秀吉は、織田信長の考えの先の先を読んで、信長の思いにこたえていきます。また、合戦ではあらゆる手段をつかって情報を得て、相手の考え・欲望をよんで自分の陣中に敵の武将を引きこんでいきます。
ここで重要なことは、秀吉はあくまでここで、凋落した相手に対して、ある意味において、大事に扱っている点です。
大事に扱うことで、「ほかの敵に対しても接触がしやすいようにする」「敵であったものに対しても寛大であるという自分のイメージをつくる」という利点がありました。

?パフォーマンスの重要性
上のイメージに関連して、凋落が得意である=とてもよくないイメージとならないように、とにかく秀吉は明るくふるまいます。そして凋落しているという姿をなるだけ見せないようにします。
凋落以外にも、秀吉はあらゆるパフォーマンス(狂言)を用いて、人を味方につけようとします。
一番ひどいのは本能寺の変ののちの、織田家への扱いです。彼は自分が天下一を目指していながら、織田家を立てる形で天下平定を行っていきました。
この姿があったからこそ、織田家の家臣であったほかの武将は(秀吉の態度が建前であると知っていてもなお)秀吉を支持することができたのです。

ためになるとかならないとか考えずに読んでも面白いと思います。気になったらぜひどうぞ!